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Well-beingデザイナー

【対談】働きやすい職場環境とは?

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「Well-beingデザイナー」では働く人のWell-beingを実現していくためにココロとカラダを心地よくする情報を、保健学博士の島田恭子先生にGlad Street編集長の長内のりこが伺っていきます。わたしたちとともにWell-beingなライフスタイルをデザインしていきましょう。
今回は、前回のテーマであった「働く人が感じるストレスと職場環境の関係」についての対談をお届けします。

オンラインで信頼関係を築く秘訣

一般社団法人ココロバランス研究所の代表をしております保健学博士の島田恭子です。今回は、前回お話しした職場環境をテーマにGlad Street編集部の長内のりこさん、清松誠さんと対談した様子をお伝えします。

長内:前回、職場環境における一番のストレスは人間関係だというお話から、雑談で細かなコミュニケーションを取ると良いということでした。 

島田:Glad Street編集部のお二人は編集長の長内さんが東京、編集部の清松さんが台湾にいるという物理的に離れている状況ですよね。コロナ禍になってオンライン上のやりとりが増え、     ストレスを感じている人も多いです。離れて仕事をしているのに良好な関係を築いているお二人が、仕事上のコミュニケーションで意識していることはありますか?

長内:私はチームメンバーの細かい工数管理はしていません。パフォーマンスを発揮してくれていることに信頼を置いているので必要ないかなと思っています。

清松:入社約1年で台湾転勤や新型コロナウイルスの流行があり、毎日のやりとりがオンラインになりました。私に何かあると、どんなに忙しくても長内さんが話を聞いてくれていたのが大きかったと思います。相談に乗ってくれて一緒に考えてくれるんですよね。ここでお互いの考えていることがしっかりと共有できました。バーチャルでしたが、確実に信頼関係が構築できたと思います。

長内:私の苦手なところが清松は得意で、サポートしてくれることが多いです。お互いの得手・不得手が違うのでうまく補完し合えていますね。そういった尊敬の念から信頼につながっている気がします。

島田:自分の得意・不得意を可視化できていることも大切ですね。自分の状況をきちんと可視化できると、お互いの課題や弱点を補完し合える相手に、敬意を感じ尊重しますから。

長内:あと、ちゃんと意見を言ってくれるので、わたしも意見が言いやすくて良かったです。良いものを作りたいという強い思いがベースにあっての意見交換なので物事が進展します。たまに熱くなりすぎて激論を交わすこともあるんですが、お互いにフォローし合いますね。

清松:細かいことで言えば、怒っていても文章のやりとりでは絵文字を使ったりしますね(笑)

島田:相手に適度に心を配ること。そのためにきちんと時間をかけることはとても大切ですね。それが心理的安全性につながっています。

人間関係が良好になるとモチベーションがアップ

長内:私、職場の人間関係で苦い思い出があるんです。学生時代は人前で話すのが好きでした。ただ、社会人になって会社の全体会議で全社員の前でプレゼンテーションをした時に、同僚の女性から嫌がらせに近いことを言われたんですよ。そこから人前で話すのが怖くなってしまって、今でも人前で話すのが苦手です。

島田:心理的負荷が大きくかかるとトラウマになってしまうんですね。仕事のモチベーションも下がってしまいますね…。それを克服する一つの方法は小さな成功体験を重ねること。長内さんの場合で言えば、「この人たちの前でなら大丈夫」という機会でプレゼンを重ね、自信をつけることでこのトラウマを乗り越え、いつしか克服していくことです。

長内:なるほど!今は仕事にやりがいを持って取り組んでいますが、嫌がらせをされた当時は目の前の仕事をこなしてそこそこのお給料がもらえればいいくらいに思っていました。

島田:そこから仕事へのモチベーションがアップしたきっかけは何ですか?

長内:きっかけはいい仲間が増えたからですね。この仲間とともに頑張りたいと思うようになってモチベーションが上がっていきました。仕事は内容よりも人間関係だなと実感します。どんなにやりたいことでも人間関係が悪かったらモチベーションは下がりますし、逆にやりたくないことでも、周りに支えられてやりたい仕事に変わることもありますよね。

たまには仕事以外の話題も共有して職場環境を良好に

長内:お互いのワークライフバランスも尊重していますね。仕事以外の話も結構します。オンライン会議の5分前に入って、その5分でチームメンバーがそれぞれ近況を話す機会を作ったりもしていました。仕事以外の状況も含めたその人自身を知っておくと仕事上でのコミュニケーションもスムーズになると思います。

島田:前回の雑談の話にもつながりますが、仕事以外の話題も含めた会話によって、お互いの状況や考えが共有され、職場内の心理的安全性が上がることが、研究でも明らかになっています。もちろん、あまりに個人的な話題を強要したり、プライベートを詮索するのはNGですが。

島田:「物理的に仕事が多い」、「労働時間が長い」、などの、”仕事の量的な負担”は、比較的わかりやすいのですが、「自分の感情とは裏腹な態度が求められる」、「いやだ、不快だ、と思うけれど、それを言えない」などの、いわゆる、”感情的負担”といわれるものは、まわりももちろん、自分自身も気づきにくいものです。先ほど自分の得意・不得意を可視化できていることが大切だという話をしましたが、自分がいま何にストレスを感じるのかを、わかっておくことも非常に大切です。


島田 恭子

保健学博士。企業での人材育成の経験から、心の健康の重要性を感じ、東京大学大学院医学系研究科にて予防医学・メンタルへルスを研究。 医学や心理学の知見を、職場や生活に応用する支援を行う一般社団法人ココロバランス研究所を設立し、研究所長を務める。

ココロバランス研究所