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Smileクリエイター

第2の家のような場所でペルーの家庭料理を楽しむ

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店名 : ペルー料理ALDO南青山店
住所 : 東京都港区南青山3-3-23Sta-bld B1F
TEL   : 03-6427-7223 
URL  : https://aldoperu.com/

今回ご紹介するスマイルクリエイターは東京・外苑前にあるペルー料理ALDO(アルド)のオーナーシェフ・浦田アルドさん(以下、アルド)と南青山店店長・宮平清彦さん(以下、清)。ランチでもディナーでもペルーの家庭料理が楽しめるこちらのお店で、来店されたお客様を笑顔にする秘訣とは何なのでしょうか。接客する時のポイントや普段から心がけていることをお二人に伺いました。

これまでのご経歴を教えてください。

アルド−−私は日系3世のペルー人です。同時期に来日したペルー人の仲間の多くは製造業に就いていました。たくさん働けば、その分高い給料がもらえるからです。私は元々料理が好きだったので、飲食店に就職しました。それでも、製造業の仕事に就いていた時期もあります。今こうして料理の道に進んでいるのは日本で出会った妻との結婚や子どもの誕生がきっかけでした。「自分の好きなことを仕事にするのが子どもたちにとって一番だ」と思ったんです。

母国のペルー料理は祖母に教えてもらいました。とても料理が好きな人で、今このペルー料理レストランALDOでお出しする料理の原点はすべて、祖母の味です。

ALDOを始める前は10年以上メキシコレストランで働いていました。でもやっぱり自分のお店をもってペルー料理を日本で広げるという夢を叶えたくて2016年、表参道駅の近くに小さな店をオープンしました。ここ外苑前のレストランは2号店として開いたレストランです。1号店はもう閉めていて、現在はこの南青山店をメインに営業しています(※2023年9月時点)。

実は2023年11月に麻布台ヒルズ内に店舗を構えることが決定しました。以前も新しく出店する話はありましたが、良いメンバーが揃ってからでなければできないと思い断ったことがあります。中途半端な料理や接客は絶対にしたくありません。良い一皿が出せないのであればお店をやっている意味がないんです。今回、ペルーからシェフが来てくれることになり、心強い仲間がそろいました。外苑前店も安心して任せられる。規模を拡大して話題の商業施設に出店できるのが楽しみです。最初は麻布台ヒルズという場所でできるかなとも思いましたが、最高のスタッフに恵まれてチャレンジすることができました。

−−私は小学校6年生の時にペルーから日本に来ました。日本にいる方が長いですね。2023年7月からこちらで働いています。もともと保育士になりたかったこともあり、それまでは神奈川県の児童福祉施設で6年ほど勤務していました。そこにいる子どもを注意深く見ている必要があるので、観察力が身につきましたね。それが今の飲食店でお客様をよく見ることにつながっていると思います。

仕事のフィールドを変えようと思って、システムエンジニアになるための勉強をしていたのですが、アルドさんとの出会いがきっかけとなってこちらで働くことに。料理をするのが好きで故郷のペルー料理を広めたいという思いがずっとありました。正直、自分が飲食店で働くとは思ってもみなかったです。知人を介してアルドさんを紹介いただいたのですが、熱い思いを聞いているうちに「この人とならペルー料理を日本で親しんでもらうことができるな」と強く感じました。

接客する上で気をつけていることはありますか

アルド−−常にお客様の表情をよく見るようにしています。オープンキッチンなので、ホールスタッフだけではなくキッチンにいるスタッフもお客様と積極的に話すようにしていますね。ペルー料理と聞くとどんな雰囲気か分からず、お店に入りにくいと思うんですよ。居心地の良い空間を作って、くつろぎながらペルーの家庭料理を楽しんでいただきたいです。お一人でいらっしゃるお客様も多いので、カウンターでシェフやホールスタッフと話しながら、第2の家のように思ってもらえたら嬉しいですね。

−−常連さんを増やしていくためにも、お客様の顔を覚えることは意識しています。覚えていてもらったら嬉しいと思うので。常連さんや紹介でいらっしゃるお客様が多いです。

日本にいるペルー人は少ないので、当店で初めてペルー人と話すという方が多いです。そうなると我々の印象でペルー人のイメージが決まってしまいます。日本では「外国人=騒がしい、失礼」みたいなイメージがまだあるので、ペルー人にも親切な人たちはたくさんいることも知っていただきたいですね。

食べることが好きなので外食することが多いのですが、その時にお客さま視点で考えるようにしています。自分がお客さまとしてレストランに入り食事を体験してみて、こうだったらお客さまは嬉しいなと思うことを自店で実践するようにしていますね。毎日改善を繰り返しています。

スタッフ同士のコミュニケーションはどのようにされていますか?

アルド−−当店はキッチン、ドリンク、ホールを全員ができるようにしています。誰かが急遽お休みした時にフォローし合えるし、休みが取りやすいですよね。どこかのポジションが忙しい時はすぐサポートに入ることもできます。最初はその人の得意なものや希望のポジションから始めて徐々に他の仕事もできるように教え合うんです。同じポジションだけやっているとマンネリ化してしまうこともあるので、新たな仕事を覚えて刺激を与えることも大切です。ペルー料理やお酒を含むドリンクの知識、接客までわかった方が成長できるし楽しいと思います。みんなで高め合っていけるのが理想ですね。

まかないを食べる時はみんなで一緒に食べてコミュニケーションを取るようにしています。みんなの話を聞くように心がけていますね。お店のオペレーションに関する細かい意見が出たら、否定せずに聞くようにしています。スタッフ全員で1つのチーム、もはや家族みたいなものなのでコミュニケーションは大切です。

−−シェフだから偉いというのは少しもありません。新しく入ったスタッフが料理のことでよい意見を出したら、それを取り入れてメニューを作ることもあります。オーナーを含めてスタッフの中で上下関係はないですね。オーナーだから皿洗いをしないということもないですし、ホールスタッフだから仕込みをしないということもありません。お客様に失礼なことがあったら全員の責任、お客様に美味しいと言っていただけたら全員の手柄です。一人一人がスタッフ全員のことを考えているので、みんな笑顔で働けていますし、それがお客様にも伝わっていると思います。そもそもみんな明るくて優しいスタッフばかりです。

いらっしゃるお客様は日本人の方が8割、ペルー人が1割、残り1割は他の外国の方々です。お客さまが日本人なら日本語、ペルー人ならスペイン語というようにお客さまが分かる言葉で接客するようにしています。ただ、スタッフ同士ではあえてペルーで話されているスペイン語で会話をするようにしています。スペイン語が飛び交っている方が本場ペルーの雰囲気が出ますよね。そうやってプチ旅行気分を味わいながらペルー料理を堪能してもらえたらと思っています。焦っているとつい日本語が出ちゃいますけどね(笑)。

お客様からもらって嬉しかったのはどんな言葉ですか?

アルド−−「アルドさんに会いに来た」と声をかけていただけるのが一番嬉しいです。お客様に「ペルーをもっと知りたくなった」と言われるのもやりがいにつながります。ペルーというとマチュピチュやナスカの地上絵が有名だと思うのですが、料理というとあまりイメージが湧かない人が多いです。じゃがいも、かぼちゃ、トマトなどの野菜、ナッツ類、とうがらし類はペルー発祥、ワールド・トラベル・アワードの「World’s Leading Culinary Destination(世界で最も美食を楽しめる国)」部門で13年連続第1位、2023年の「世界のベストレストラン50」の第1位に輝いたのはペルーのレストランだったりと、ペルーは美食大国でもあります。ペルー料理についてお客様に説明して興味を持ってもらえると嬉しいですね。当店の料理はまさにペルーの家庭の味。ペルー料理はさまざまな文化が融合された料理なので、世界中の人たちに合う味付けになっているんです。笑顔でおいしかった、楽しかったと言ってお帰りいただけたらこちらも笑顔になってしまいます。

−−当店の自慢は家庭料理です。気軽にペルーの家庭の味を楽しんでいただけるように値段はリーズナブルです。お客様の方から「こんなに安くて大丈夫ですか?」と心配していただくほどです(笑)。もっとペルー料理が身近になって、「パスタが食べたいな」と思うのと同じように「セビーチェが食べたいな」と思ってもらいたいですね。フレンチ、イタリアン、中華と同様にペルー料理がメジャーになってほしいです。一人でも多くの人にペルー料理を堪能してもらいたいので、ヴィーガンや宗教上の理由で食べられないものがあるなどは極力対応するようにしています。メニューにない料理を出すことも多々ありますね。ペルー料理は食材も調味料も幅広くあるので、これからもっと幅広い料理を皆様にお楽しみいただけたらと思います。

アルド−−今後も楽しみながら家族のような仲間たちと一緒に、新しいことに挑戦していきます。これからさらに多くのお客様にペルー料理を楽しんでいただくことが一番の励みです。

左から宮平清彦さん、お店の看板アルパカ、浦田アルドさん


母国から遠く離れた日本で展開するペルー料理レンストラン。母や祖母の味を受け継ぎ、日々探求を続けながら「たくさんの日本の方にもペルーの家庭料理を楽しんでほしい」。この思い一心でお客さまに向き合う姿に、接客の極意を学ぶことができました。ペルーを未だ知らない人々にとっても、彼らの料理やお店、お客さまとの関係づくりを目にしたら、好奇心をそそられることは間違いないでしょう。