今回ご紹介するスマイルクリエイターは東京・銀座にある鉄板焼ステーキ「コルザ」のシェフ・藤本 哲也（ふじもと てつや）さん。来店されたお客様を笑顔にする秘訣とは何なのでしょうか。接客する時のポイントや普段から心がけていることを藤本さんに伺いました。

●これまでの接客のご経験を教えてください。

−−コルザを運営するキッコーマンレストラン株式会社に入社して37年になります。
もともとは機械工学を勉強していて、設計技師を目指していました。学生時代のアルバイトで接客の仕事をする中、接客の方が自分に合っているかなと思ったんですよね。いろいろと迷った結果、新卒で入社したのは書店の会社です。そこで接客の醍醐味であるお客様にありがとうと言われる経験をして、接客がますます好きになりました。

その後、喫茶店で働くのですが、そこにヘルプでコルザのシェフが来ていたことが今につながっています。 コルザでは主に調理全般を担当しており、お客様の目の前で焼いて、焼きたての料理をお出ししています。いわゆるホールと呼ばれるサービスも行っているので、オールマイティに仕事をさせていただいています。

●接客する上で気を付けていることはありますか？

−−お客様に楽しんでいただくには、自分も楽しんでいないといけないと考えています。ですので、自分の心も満たすように心掛けていますね。嫌なことがあってもすぐに忘れることができるのも、自分を楽しませることにつながっているかもしれませんね（笑）

●お客様からもらって嬉しかったのはどんな言葉ですか？

−−「美味しい」と言っていただくのが一番嬉しいですね。あとは、口に出さなくても、うなずきながら美味しいという心の声が聞けた時も接客をしていてよかったなと思う瞬間です。

お客様と趣味が合って、話が弾む時も楽しいですね。音楽が好きで趣味でギターをやっているんですが、お客様のつてで高額なヴィンテージギターを弾かせていただく機会もありました。

●仕事にやりがいを感じるのはどんな瞬間ですか？

−−当店では鉄板焼きに合うワインを数多く取り揃えています。お客様の好みに合わせてお出しするのはもちろん、料理に合わせてこちらからワインをおすすめすることもあります。ホールも担当させていただくので、料理に合うワインをその場でご提案できるようにワインとのペアリングの知識も深めたいなと思いました。

ワインを勉強したいと会社に話したところ、ワイナリーに勉強に行かせてくれたんです。当社は現場の希望や意見を聞いてくれるので、自分の意見が反映されるのはやりがいに繋がりますね。

料理もそうですが、自分でいろいろと試して研究するのが好きです。自分で得た新しいことをお客様に提供した時に喜んでいただけると私のやりがいも倍増します。

当店はご家庭でも再現できるように料理を目の前でお作りして提供しています。料理について質問をいただいたり、食材の説明にご興味を持っていただけた時はよかったなとしみじみ感じます。

●接客でいつも意識的にされることはありますか？

−−どうしたらお客様が喜んでくれるかをいつも考えています。例えば、お客様の会話を聞いて、誕生日のお祝いで来店していることがわかったら、予約時にバースデーとのご連絡がなくてもサプライズでデザートのタイミングに、メッセージ入りのバースデープレートをお出しすることもあります。

名刺をお渡しすることもしていますね。常連様が新規の方をお連れいただいた場合、名刺をお渡しすることでお連れ様が個人的にもまた来ていただけたりします。また、お客様がお帰りになる際はできるだけ、お出口までお見送りをするようにもしています。最後に良い印象を持っていただくことで、さらに足を運びたくなると思っていただけると嬉しいですね。