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Smileクリエイター

柔軟であることと誠実であることが最高傑作の源

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今回ご紹介するスマイルクリエイターは演劇やミュージカルなどの企画制作を手掛ける株式会社トータルステージプロデュースの毛利美咲(もうり みさき)さん。キャスティングから上演までのすべてをプロデュースする毛利さんが劇場に来場されたお客様を笑顔にする秘訣とは何なのでしょうか。仕事をする上で大切にしていることや普段から心がけていることを伺いました。

これまでの経歴やお仕事内容を教えてください。

−−もともと株式会社パルコの社員としてPARCO劇場を中心に演劇やミュージカル作品のプロデューサーを約20年していて、2021年4月に独立しました。多くの作品に携わらせていただく中で、素晴らしい俳優やクリエイターと関わることができました。このコロナ禍が一つのきっかけになったことは事実ですが、これまでの経験を生かして自分の名前で仕事をしていきたいと思いました。仕事とプライベートのバランスも自分らしくしたいと考えて独立を決意。独立後の大規模作品はミュージカル『Singin’ in the Rain ~雨に唄えばです。2022年2月にコロナ禍で無事公演を行うことができました。

プロデューサーの仕事は作品ごとにキャスト、スタッフを集めて会社を創るような感覚です。さまざまな才能を集めて会社を立ち上げていく責任者ですね。一人では何もできないので、周りの力を集めてひとつの作品を作り上げます。

直近で上演されていた『雨に唄えば』でのエピソードをお聞かせください。

−−コロナ禍でイギリスから出演者とスタッフを来日させての公演は正直かなり大変でした。2021年11月29日に出されたオミクロン株に関する水際対策として全世界の外国人の入国が禁止となりました。

出演者が来日できないということで上演が危ぶまれたわけです。2022年1月の公演は中止にせざるを得ませんでした。そして2月公演もギリギリまでできるか分からない状態。出演者のビザが発行されたのは、飛行機出発の6時間前でした。スタッフも出演者もみんな不安だったと思います。

出演者は幕が開くか分からないのに3週間イギリスで稽古と出発予定日の2週間前から自主隔離をしてくれていました。私たちを信じてくれていたんです。政府からの厳しい防疫措置の中の来日ということもありましたが、私たちができることは関係者から感染者を出さないということ。感染者が出てしまうと公演中止になってしまいます。ですので、3日に1度のPCR検査と毎日の抗原検査を実施しました。

日本人スタッフも含め、関係者全員に自主管理の徹底をお願いしましたね。約140名の関係者の誰一人として感染者を出さずに大阪公演までやり切ることができたことは誇りに思います。

株式会社トータルステージプロデュース 毛利美咲 雨に歌えば アフタートークショー

主役のアダム・クーパーさんは素晴らしいお人柄で、お客さまをとても大切にする方なんです。でも、このコロナ禍では握手やサインができないので、少しでも観に来てくださったお客様を喜ばせたいとアフタートークショーを行いました。アフタートークショーの2日前にアダムと話している中で、やるというのが急遽決まったんですよね。司会は私がやりました。

プロデューサーは稽古期間も上演期間も出演者と時間をともにして信頼関係を築いているので、プロデューサーが司会をした方がリラックスして話しやすいのかな、と思います。このようなアフタートークショーの司会をやる機会はよくあります。

仕事をする上で大切にしていることを教えてください。

−−どんな仕事でも、うまく行かなくなることってありますよね。こうしよう!と決めていたけど、気持ちが揺らいでしまうことや、投げ出したくなることだってあります。困った時にどうするかが一番大事です。とにかくブレないこと。

決めた目標に向かってとにかく進み続けます。その時に一つの方法にこだわってしまうとうまくいかないんですよね。さまざまな方法の中から自由に選べる柔軟な自分でありたいと常に思っています。自分の得意なやり方をみなさんがお持ちのはずです。仕事のやり方、人とのコミュニケーションにおいて、自分のいつものやり方でうまくいかない時に、自分の概念にとらわれず苦手な方法を試すチャレンジ精神を持っていたいですね。

もう一つは誠実であることです。これは言いたくないこと、伝えづらいこともきちんと相手に伝えることだと思っています。イエスを伝えるのは簡単ですが、ノーを伝えるのってすごく難しいですよね。

達成したい目標があって、それに向かう最中、違っていることや、予算的に難しいことには「ノー」を伝えなくてはなりません。ノーを伝えたことで人間関係が壊れたら自分に何かが足りなかったと考えます。人によって考え方や捉え方はさまざまなので、まずはすべてを受け止めるように心がけています。自分を含め誰にだってエゴや自己防衛本能があるということすら受け入れる必要があると思います。異なる考えを持つ人を排除してしまう方が楽ですが、柔軟に対応できるようにしていきたいです。これが一番大変だけど、一番大切な仕事じゃないですかね。一緒に仕事をする方から「また一緒に仕事をしたい」と言われると嬉しいです。

劇場に来ていただくお客様に対して意識されていることはありますか?

−−舞台を観に来ていただくということは、2時間から3時間程度の短い時間ですがお客様の人生に関わらせていただくことだと思っています。舞台を観て「なんだか元気になったから、明日からまた頑張ろう!」と思っていただけるのはやはり嬉しいです。

株式会社トータルステージプロデュース 毛利美咲

数年の時間が経ってから、その時観た作品がその方の人生のヒントになったり、ふと心に刻まれたセリフを思い出して、何か活力を見出していただき、また劇場に足を運んでくれているとしたらありがたいですね。お客様に良い体験をしてもらいお客様の笑顔と生きる活力を作るのが私の仕事だと思います。

COMPANY DATA

株式会社トータルステージプロデュース

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