今回、ご紹介するスマイルクリエイターは、上質な健診空間が話題の「MEP（メップ）南青山」の施設長であり医学博士の加藤順子（かとう じゅんこ）先生。健康診断や人間ドックのために来られた方を安心させて快適に受診してもらう秘訣とは何なのでしょうか。接遇のポイントや普段から心がけていることを加藤先生に伺いました。

●接遇面や設備に関するこだわりを教えてください。

−−健康診断や人間ドックは基本的には健康な方が、病気がないかをチェックをしに来る場所です。

中には、「もし何か異常が見つかったらどうしよう」という不安を抱えていらっしゃる方が多くいます。悪いところが見つかるのが嫌だからと健康診断に来なくなってしまう方がいるのも事実です。私どもとしましては、健康なことを確認するために安心して来てもらうことが理想ですね。

実際の健診内容では、内視鏡検査に力を入れており、内視鏡検査が苦手な方でも受診しやすいように工夫しています。口から入れる検査（経口内視鏡）では5〜6ミリの細いスコープを使用することで違和感が感じにくくなります。それでも咽頭反射が起こる方がいらっしゃいますので、鼻から入れる検査（経鼻内視鏡）もありますし、鎮静剤を投与して寝ながら行うことも可能です。

それまで辛くてできなかったという方にも苦痛なく快適に検査ができるようにしています。また、内視鏡検査は胃カメラと大腸カメラが同日でできるところが他ではあまりないので、それも忙しい方に喜ばれていると思います。

●来た人に安心して受診いただくためのサービスなどはありますか？

−−健康診断や人間ドックで何が最も嫌かというと「待つ」ことなんですよね。ですので、待つストレスを少しでもなくすために、空いている検査に受診者さんを誘導できるように各検査の混雑具合をシステムで管理しています。混んでいない場合は順番どおりに進んでいただければいいのですが、混んでいる場合は空いている検査がどこかを把握して案内できるような仕組みです。

また、院内では、インカムを付けてスタッフ同士の連携やサポートが取りやすい状況にもしています。これはスタッフにとっても、健診に来た方にとってもスムーズにコミュニケーションが取れるためのポイントですね。

さらに、毎週火曜の午前中はレディースデイを設けています。女性のみ受診することができるので、安心して来ていただきやすいですね。現在、人気のブライダルセットも3コースご用意しています。

日頃から心がけているのは、健康診断で何か病気が見つかった場合、その内容を伝える時に少しでも安心していただけるようにお伝えしています。検査内容とは関係ない何気ない会話から話し始めたり、その病気が見つかった経緯や考えられる原因、今後の治療法、紹介する病院についてなど丁寧に説明します。

誕生日に健康診断を受ける方が意外といらっしゃるので、その方が誕生日だとわかったら「おめでとうございます」と言って和ませたりもしています。

●ホテルのようにラグジュアリーな内装ですが、空間作りでのポイントは何でしょうか。

−−健康診断に来た際に、病院みたいな雰囲気だとやはり緊張してしまうし、不安にもなりますよね。

ですので、健康診断ではなく、ホテルに来たかのような感じがする受付のデザインにしています。椅子も大きくゆったりとしたソファで、ソファ同士の間隔も広くとっているので、待っている間もくつろいでいただけるのが特徴です。

検査後に少し休憩したり、一緒にご来院した方を待ったり、リモートワークでお仕事をすることもできます。忙しくて仕事の合間に来ている方も多いので、お仕事をしながら待つということもできるのはこの時代に合ったサービスなのかもしれません。

●接遇や働き方に関してスタッフに伝えていることはありますか？

−−検査技師も看護師も受付スタッフも基本的に女性スタッフなので、全体的に柔らかい印象になっていると思います。接遇に関するマニュアルがあったり、こうしなければならないということを言ったりはしていません。

でも、女性ならではの気配りができるスタッフが多いですね。受付スタッフは全員、航空会社のCAが受ける接遇の研修を受講しているので、それが良い接遇につながっているのかもしれません。あと、今の時代は特に個人情報の取り扱いが非常に重要なので、個人情報に関するセミナーも受付スタッフの方には必ず受講してもらっています。

働きやすい職場ということも意識しています。スタッフには残業せず帰るように言っていますし、私自身も仕事が終わったらすぐに帰ります。休みもしっかりとってコンディションを整えることで良い仕事ができると思います。

●受診者の方からもらった言葉で嬉しかったのはどんな言葉ですか？

−−MEP南青山での検査が「これまでで一番快適だった」と言っていただけると嬉しいですね。他には、健康診断に来た方の問診・診察で検査内容以外のことを聞かれることがあります。病院に行くほどじゃないけど、気になる症状などです。そういった質問にも親身になって答えるようにしていると感謝されることがありますね。

これからも、「次回もここで」と思っていただけるような健診空間を作り、多くの方の健康を支えていきたいと思います。