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glad street

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Smileクリエイター

トップレベルの接客は
仕事とスタッフへの愛から生まれる

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今回ご紹介するスマイルクリエイターは人気の靴・バッグショップ「DIANA(ダイアナ)ルミネ新宿店」のミドルマネージャー・栗野香織(くりの かおり)さん。トレンドの靴やバッグがずらりと並ぶこちらのお店に来店されたお客様を笑顔にする秘訣とは何なのでしょうか。接客する時のポイントや普段から心がけていることを栗野さんに伺いました。

接客する上で気を付けていることはありますか?

−−今はインターネット通販が普及していて、コロナ禍はなおさら自宅でお買い物をするという人が増えました。そんな中で来店されるお客様と直接話せるとしたら自分という存在の付加価値を上げる必要があると常に意識しています。

そのためには、商品説明をするだけではなく、いつもお客様一人一人に合わせたパーソナルな接客を心がけています。それには洞察力が必要です。

例えば、お客様がベージュカラーにゴールドの金具の靴を履いていて、ネイルはブラウン、アクセサリーもゴールドを付けているとしたら、上品なスタイルが好きなのかな、小物で少し遊びを入れるのかなと想像します。
そうなると靴はシンプルすぎずにデザイン性があるものがいいかなと考えて提案しますね。提案したものがお客様に似合う理由もきちんと説明することで説得力が上がるんです。
お客様自身も気付いていないようなファッションの幅を広げるお手伝いができるといいなと思っています。

当店にはOLのお客様も多くご来店されます。コロナ禍はリモートワークになった方も多くいらっしゃるので、人と会えない時期に来店いただくとその日最初に話すのが私かもしれないなと想像するんです。

家でずっと一人でいたら気分が落ちていきますよね。なので、仕事のことでも恋愛のことでもなんでも話しやすい安心感のある雰囲気を意識しています。私と話したことで元気を与えられたらいいなと思っています。
私のお客様は買い物ではなく、私と話すためだけに来店される方もいますが、それがありがたいですね。

店長としてスタッフにいつも言っていることや大切にしていることを教えてください。

−−「商品を売るのではなくて、親切を売る」といつもスタッフに言っています。

商品の値段以上の付加価値をお客様に与えられているかを考えることが大切です。商品が普通でも接客が良ければ売れることだってあるし、商品を提案してお客様のファッションの幅が広がればまた来店してくれるでしょう。お客様を第一に考えて行動したことであれば、私はスタッフを叱ることはありません。

私はスタッフからみると、店長として結構厳しい方だと思うんです。

スタッフ教育には力を入れていて、厳しくいうのもそのスタッフのためを思って全力で伝えますね。
スタッフが何かミスをした時もなんでそのミスをしてしまったのか自分で考えさせるようにしています。どうしたらそのミスをしないか、具体的にいつからどのように変えるのかを明確に答えてもらいます。
そうでないと同じミスを繰り返すし、本人にとって成長にならないからです。普段からなぜ?と考えるクセができるとお客様にもなぜ似合うのかが伝えられるようになります。

しっかりとお店のビジョンをスタッフに伝えることも大切ですね。

私の考えるビジョンは日本全国にあるダイアナのファンをこのルミネ新宿店から作っていくということです。当店でダイアナのファンになってもらって、地元に帰ってまたダイアナに行ってくれるといいなと思っています。ファンになってもらえたら、その方のお子さんやお孫さんにもダイアナの商品を勧めてくれると思うんです。


感動するくらいの接客ができればファンは増えていくでしょう。だから「親切を売る」といつもスタッフに言っていますね。

また、スタッフの第一印象でお店の印象が決まることがあるので、ファッションチェックも厳しくしています。

靴だけでなく、ファッション全体のトレンドの勉強をするようにというのも伝えています。各世代のトレンドを押さえておくことが必須です。また、お客様との会話を広げられるように季節的なイベントや今、流行っているもの、時事問題など幅広い情報収集も欠かせません。

接客で受賞されたご経験があるとのことですが、その時のエピソードをお聞かせください。

−−ルミネで年に1回開催している接客のコンテスト「ルミネスト」で2015年にゴールドを受賞しました。

接客のロールプレイングを接客のプロである審査員の目の前で行います。商品説明は誰でもできるので、その商品がお客様にとってこういうメリットがあるというパーソナルなところまで説明できることがポイントです。普段お店で実践していることをそのままやれば問題ないですね。

全国のルミネで働くスタッフがエントリーして予選を勝ち上がり、最終的に10人前後がゴールドに選ばれます。ゴールドになるとヨーロッパ研修10日間にご招待いただけるんです。おもてなしを学ぶために一流ホテルに泊まれたりして良い経験をさせていただきました。

自分の接客が見えやすい形で評価いただけたのは嬉しかったですし、スタッフ教育でも説得力が上がりますね。

仕事に活かせるプライベートの活動や趣味はありますか?

−−仕事が好きすぎるので休みの日も仕事脳なんですよね(笑)。

だから、休日だと靴屋さんはもちろん、アパレル、飲食店などさまざまなところに出掛けて行って接客の勉強をしていますね。接客を受けてどこが良いと思ったのか、どこがイマイチだと思ったのか自分に落とし込んで出勤した時にスタッフに共有しています。

もともと美術館やアートにまったく興味がなかったのですが、自分の感性を磨くために行ったりもしますね。お客様との話題のきっかけ作りにもなります。

トレンド情報を収集することが大切なので、SNSが多いですが、街に出た時もその街にいる人のファッションは良くチェックしています。トレンドのファッションとダイアナの靴やバッグをどう合わせるのかで頭がいっぱいですね。

私、シフトを作るのが苦手なんです。そもそもデスクワークが得意ではありません。14人分の休みをパズルのように当てはめていくんですけど、少しでもパズル的なものが得意になりたくて、よくパズルと数独をやっています。楽しくやれば何とかなるかなと思ってやってみたら、ハマってしまいました(笑)。

お客様からもらった言葉で嬉しかったのはどんな言葉ですか?

−−少し病弱そうなお客様が来店された時の話です。こちらからお声掛けしてもずっと無視されていたのですが、なぜか声を掛けた方がいいと直感的に思って、声をかけ続けました。靴を何足かお試しいただいたんですが、ずっと無言。

どうにか心を開いてほしいなと思っていたところ、サイズを持ってきてくださいという話から会話が始まっていったんです。その時は靴を1足買っていってくださいました。

帰りがけにそのお客様が、「実はこれから長期の入院をするんです。いつまで入院するのかもわかりません。その入院がすごく嫌で、ルミネ新宿のあたりをフラフラしていました」とお話しされたんです。
続けて「お姉さん(栗野さん)がめげずに声を掛けてくれて、話していたら元気をもらって前向きになれました。頑張って入院生活を乗り越えようと思います。退院したらダイアナのヒールが履きたいです。」という言葉をいただいて、ものすごく感動しました。

そこから接客への意識が変わったんですよね。私の一言でお客様を元気にできるという確信が入りました。

入社2年目くらいの時、私自身もお客様にたくさん元気をいただいた経験があります。

自分が人生どん底という時期に接客したお客様から、「靴を買うつもりもないし、お店の前を通る予定でもなかったのに、お姉さんの笑顔が良くてお店に入っちゃったの。あなたじゃなかったらお店にも入っていないし、靴も買ってない。でも、入店したことでこんなに素敵な靴が買えて、あなたと出会えて良かった」と言っていただきました。
その言葉に号泣したのを覚えています。

これらの経験からお客様にも元気を与える存在であるのはもちろん、大好きなスタッフたちにとっても元気を与えられる太陽のような人でいたいなと思います。落ち込んでいたけど、仕事に来たら元気が出たと思ってもらえたら嬉しいですね。

SHOP DATA

DIANA ルミネ新宿店

東京都新宿区新宿3-38-2 ルミネ新宿 ルミネ2/2F

03-3348-5156

https://www.dianashoes.co.jp/