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Industryアーティスト

仲間のことを知るコミュニケーション施策 「心理的安全性プログラム」を実施する コミューン

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住所     :〒141-0031 東京都品川区西五反田4‐31‐18 目黒テクノビル2F

URL   :https://commmune.jp/

会社概要:カスタマーサクセスプラットフォーム「commmune」、効率的なカスタマーサクセスを実現するアクション基盤「SuccessHub」の運営

職場でのコミュニケーションは会社の売上に直結するくらい重要です。ただ、コミュニケーションに正解はないので悩んでいる会社も多いのではないでしょうか。カスタマーサクセスプラットフォームを提供する「commmune(コミューン)」は独自の社内コミュニケーション施策を実行しています。社員同士のコミュニケーションに役立つ「心理的安全性プログラム」について、People&Communicationチームでエンプロイーサクセスを担当する緒方崇允さんにお話を伺いました。

「心理的安全性プログラム」とは?

弊社には「心理的安全性プログラム」のテンプレートというものがあります。テンプレートにはいくつか自己開示の為の質問があり、メンバーは全員テンプレートに沿って予め回答を記入しています。その内容をもとにメンバーはマネージャーやメンバー同士、時には経営陣と1on1を行い対話することで相互理解を深めます。この1on1の仕組みが「心理的安全性プログラム」です。

「我々のようなスタートアップの会社は急成長に連れて社員数も急増します。新しく入ったメンバーが早く自身のチームに馴染み、心理的安全性を感じることが、最大限のパフォーマンスを発揮することにつながると考えて全員このプログラムを実施しています」(緒方さん)

内面や人間性を開示して相互理解するためのテンプレートの質問内容は大きく分けると下記の5つです。

  1. 好きなこと、いやなこと
  2. 意外だと思われる側面
  3. これまでの人生で自身に影響を与えた出来事たち
  4. MBTI (16 personalities)※外部の性格診断ツールの結果を貼付する。
  5. 自身の「OS(仕事に影響する人間性)」について

このプログラムは「リアリティ」と「わかりやすさ」を追求しています。①〜③が深度を測るための質問です。簡単に回答できる質問から自分のことを理解していないと書けない質問へと進み、進むごとに深くなるように設定されています。MBTIは性格診断のようなもので、相手を客観的に知ることができます。「OS」も自分の課題や考え方を提示することで相手にわかりやすく人間性を伝えられるため、項目として追加されました。

入社したときのオンボーディングのプログラムにこの「心理的安全性プログラム」が含まれています。1時間のなかでお互いに対話をしながら、理解を深めていきます。

主にマネージャーとチームメンバーで行われることが多いのですが決まりはなく、社内の誰とでも実施可能です。入社時以外に実施するタイミングは各自に任せています。入力したテンプレートは社員全員が閲覧できるようになっているので、気になった時に見返したり、手軽に相手を知ることができるようになっています。

「これはあくまで相手を知るための事前アンケートと1 on 1です。代表の高田も発信していますが、この1on1でシートに書かれた内容に対して否定することや、フィードバックをすることは禁止しています。相手から何か注意されると思ったら本当のことは書けないですし、心理的安全性は得られません」と緒方さんは話します。

「心理的安全性プログラム」導入の経緯

2019年に「心理的安全性プログラム」を導入してから質問内容などは適宜ブラッシュアップしています。当時はまだ社員が10人未満でした。

「このプログラムは心理的安全性を構築するためのきっかけにすぎません。心理的安全性を築き、維持していくためにはかなりの時間と労力がかかります。しかし、このプログラムがあることで、短い時間でぐっと距離が縮まり相手を理解できることはたしかなので、現在まで継続しています」と緒方さんは心理的安全性プログラム導入にあたっての考え方を話してくださいました。

コミューン創業メンバーの3人は大学の同級生なので関係性が出来上がっている状態でした。最初に社員として入社したメンバーも大学の同級生。5人目以降のメンバーで初めて関係性がない方が入ってきたことになります。

信頼関係を構築しようと飲み会を行ってみたものの仲良くなったという実感はあっても、仕事が効率的になったという感覚はなかったそうです。飲み会の場だと話題も話す人も偏ります。自己開示をどの程度したくなるかもその人によって違いますよね。

「飲み会だけのコミュニケーションだと関係性構築は人によるという結論で終わってしまうでしょう。そこである程度体系的に、スピーディーにできる社内コミュニケーションの仕組みが必要だと考えました」(緒方さん)

「心理的安全性プログラム」で得られる二つの効果

心理的安全性プログラムによる効果は大きく2つあります。

1つ目は短時間でお互いのことを深く理解することができるので、業務上のコミュニケーションが円滑になったことです。無駄な遠慮や配慮がなくなりました。

2つ目は、テンプレートに記入する際に自分のことがわかっていないと書けないので、自身の内面と深く対峙する時間が取れるということです。自分のことは自分があまりわかっていなかったりするもの。改めて自分がどういう人間なのかを確認する時間を持つことは大切です。

心理的安全性プログラムでは、飲み会では話さないようなことを話せるので相手をきちんと知ることができます。「1時間しっかり相手と向き合うことで、短い時間ながらもぐっと「距離が縮まる」という実感があります。相手のことを知らないからどう言ったらいいのかわからないという不安は解消されますね。ただし、このプログラムを1時間やったからといって関係性が構築できたわけではありません。きっかけにすぎないということを認識して活用することが大切です」と緒方さんは語っています。

「代表の高田は心理的安全性プログラムについてブログなどでかなり発信しています。入社前にコミューンのことを調べて、この心理的安全性プログラムがあるから入社を希望したというメンバーもいるようです。社員を大切にする会社としての姿勢が伝わっているのも嬉しい効果ですね」(緒方さん)

コロナ禍になってコミューンでもリモートワークが増えています。この心理的安全性プログラムはオンラインでの実施も可能です。実際に会って行うのとオンライン上とであまり違いはありません。「今後もリモートと出社のハイブリッドでの勤務となる予定なので、オンラインでも心理的安全性が構築できて仕事がやりやすくなります。マネージャーもメンバーもこのプログラムで相手のことが短時間で理解できると好評です」

心理的安全性プログラム以外にも社内コミュニケーションの向上を目的に「オフィスアワー」というものを週1回実施しています。任意の参加で、オフィス内のカウンタースペースでお酒やおつまみを用意して社員同士のコミュニケーションの場を提供。オフィスアワーでも、心理的安全性プログラムがあることでコミュニケーションが取りやすくなるというプラスのスパイラルが生まれています。

また、入社時のオンボーディングプログラムでは経営陣が直接コミューン設立に対する想いやこれからのビジョンを伝えたり、一緒にランチすることが直接話す機会となり良かったというフィードバックをもらっています。

さらに、バディ制度があり、新入社員には細かいことをいろいろ聞ける先輩社員を個々に付けています。一番不安な入社時にスムーズに会社になじめるような仕組みです。


会社に限らずコミュニケーションの大前提は相手と向き合い、理解し合うこと。コミュニケーションの最初のハードルである相手を知らないということをあえて仕組みとして強制的に行うことでそのハードルがぐっと下がります。必要以上に相手に気を遣う時間は仕事のアイデアに使った方が効率的です。コロナ禍になって直接会社で会う機会が減ってしまっている場合でも相手を知れるというのはどんな会社でもプラスになるのではないでしょうか。